基本の〝き〟!!隣家が火災で延焼、自宅が全焼したらどうなる?

基本の〝き〟!!隣家が火災で延焼、自宅が全焼したらどうなる?

 

 

 


2024320日春分の日は、全国的に天気が大荒れで、高速道路を走行中のトレーラーが風にあおられて横転したり、海上では船の転覆、火災も風にあおられ隣家まで全焼する火事が何件もニュースとなっていました。

隣家が火災で延焼、自宅が全焼したらどうなる?」かご存じでしょうか?

これは、基本の〝き〟なので、わかりやすく解説します。

もう一度、確認しておきましょう。

 

1,民法の規定では(第709条)

 

本来であれば、故意または過失によって火事を起こして他人に損害を与えた場合、民法第709条に規定する不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。

ただし、かつての日本は、時代劇や明治、大正の頃、昭和戦前のドラマもそうですが、木造建築の長屋が連なる住宅のイメージがありますよね。

そのため、火災が起きると類焼の危険性があり、また、失火者自身も通常、自己の建物を焼失し損害を受けることとなり、損害賠償責任を負わせるのは酷であるという考え方から、明治32年に「失火責任法」が定められ、失火者の責任が緩和されました

 

2,失火責任法では

 

失火責任法」では、失火によって他人の家に延焼した場合であっても、失火者に「重大な過失」がなければ、損害賠償責任を負わせないことになっています。

つまり、隣家から出た火災によって自分の家が焼失してしまった場合でも、隣家へ損害賠償請求ができないということになります。

「重大な過失」が認められれば、失火者側が責任を問われる場合がある、その「重大な過失」って何でしょう?

 

 

3,重大な過失とは?

 

この「重大な過失」に相当するかどうかは、案件ごとに判断されます

「重大な過失」とは、少し注意すれば事故が起きなかったのに、それを見過ごしてしまった場合のことです。

例えば、以下のような場合が、よく言われる「重大な過失」と考えられています。

 

①台所で調理中、天ぷら油の入った鍋を加熱中にその場を離れて出火させた場合

②たばこの吸殻が完全に消えたことを確認せず、その吸殻をごみ袋に入れて放置したまま外出し、出火した場合

②漏電の可能性があったにもかかわらず適切な措置を講じなかったため、漏電により出火した場合

④軽度な過失であっても、それが二度目となると「重大な過失」に該当するという考え方もあります。

 

4,全焼しちゃった自宅はどうなるの?

 

「失火責任法」が適用されれば、隣家からの賠償は望めません。

自費で自宅の修繕や建て直しを行う必要があります

このとき火災保険に加入していれば、基本となる「火災」補償で他人の家からの「類焼被害」も補償されます。

 

失火者自身も火災保険に加入していれば、その保険の費用保険金が支払われる場合があります。

これは、災害時の臨時費用(例えば、仮住まいの費用)や残存物の取り片づけ費用(例えば、焼け跡の整理にかかる費用)などについて保険金を支払うというものになります。

さらに、失火者は「重大な過失」がない限り、近隣住民に対する損害賠償責任を負わないことになっていますが、近隣住民に損害を与えてしまったときに道義的な対応として「失火見舞費用」が支払われる商品もあります。

 

 

5,必要なことは何?

 

では、私たちはどうすれば良いのでしょうか

「自分の身は自分で守る」、火事は自分で起こしてしまうものだけではなく、隣家からの延焼、もらい火も十分に考えられ、それらに対応するために、各自が火災保険を契約しておくことが必要ということになります。

過去の例からも、自分の家の保険について全く知らない方も多くいらっしゃいます

たまには、自分の火災保険を見直してみると、「こんな特約に入っていたんだ」「これってこの間の〇〇に使えたんじゃないの?」なんてこともあるはずです。

とはいえ、「自分の身は自分で守る」、これが基本の〝き〟です!!

 

 

 

「火災保険」についても疑問や不安があれば、お気軽にご相談ください。

 

 

 

昭和町・甲斐市周辺の不動産売買のご相談は、(株)ミライエステート山梨まで、お気軽にどうぞ。

 

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