他県の水素エネルギー戦略を見てみよう!

2025-10-06

地域情報

他県の水素エネルギー戦略を見てみよう!



日本国内では、山梨県の取り組みとは異なるアプローチで、それぞれの地域の強みを活かした水素エネルギー戦略を推進している都道府県がいくつかあります。

特に水素の「製造」「利用」「供給」の各分野で、世界的に注目されている取り組みを行っている主要な地域を3つご紹介します。


1、福島県:復興の柱と世界最大級の製造拠点


福島県は、東日本大震災からの復興の柱として再生可能エネルギーと水素の活用を位置づけており、山梨県と並ぶ「水素製造」の先進地です。

項目

取り組み内容

特徴と山梨モデルとの違い

中心拠点

福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)(浪江町)


主な内容

太陽光発電などの再エネ電力を利用した、世界最大級の水素製造施設が稼働しています。

山梨が再エネの「余剰電力の貯蔵」に主眼を置くのに対し、福島は大規模かつ安価な水素の製造を目指している点が特徴です。

活用事例

製造された燃料電池スクールバス移動販売車、公共施設の定置型燃料電池などに供給し、地域での利用を加速させています。

震災からの復興と脱炭素化を両立する「水素タウン構想」を掲げ、自治体と企業が連携して取り組んでいます。



2、福岡県:商用車とアジアの水素供給拠点化


福岡県は、水素エネルギーの導入に日本で最も早くから取り組み、特に「水素の利用拡大」と「国際的なサプライチェーンの構築」に注力しています。

項目

取り組み内容

特徴と強み

戦略

福岡県水素グリーン成長戦略


主な内容

燃料電池商用車、トラック・バスの導入促進に重点を置いており、これに対応するための大規模な水素ステーションの整備を進めています。

産業と物流のカーボンニュートラル化をいち早く実現するため、「つかう」分野での利用拡大を強力に推進しています。

供給拠点

北九州市の響灘臨海エリアを中心とした、海外から輸入する低炭素水素やアンモニアを供給する国際的な拠点構築を目指しています。

山梨が国産グリーン水素の製造を目指すのに対し、福岡はアジアに近い地理的優位性を活かした水素の国際物流拠点化を目指している点が大きな違いです。



3、神奈川県・山口県:既存産業インフラの活用


神奈川県、山口県は、石油化学コンビナートや工場が集中しているという地理的特性を活かし、既存の産業活動から発生する水素(副生水素)を活用するモデルを構築しています。

項目

取り組み内容

特徴と強み

神奈川県

京浜臨海部での地域循環実証

石油精製や化学工場などで発生する「副生水素」や、使用済みプラスチック由来の水素を精製し、パイプラインや移動式充填設備で輸送。横浜市や川崎市内の倉庫、工場、商業施設で利用する地域内サプライチェーンの実証が行われました。

山口県

大規模な副生水素の活用

もともと大規模な化学産業が集積しており、水素の製造ポテンシャルが高い地域です。コンビナートから出る副生水素を、地域内の燃料電池車両や産業用途で利用する実証を推進しています。

メリット

「作るコスト」が安い。新たに水素を製造するのではなく、産業活動で自然に発生する水素を使うため、比較的安価で、早期の実用化に結びつきやすいというメリットがあります。



山梨県が「再生可能エネルギーの不安定性克服」という技術的なブレークスルーを目指しているのに対しその他の地域は「大規模な製造」や「物流・商用利用の拡大」、「既存インフラの活用」など、それぞれ独自のテーマで水素社会の実現に貢献しています。

山梨県民としては、先端を走っている気分になりますね!




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