「所有者不明土地」問題と相続登記の義務化

「所有者不明土地」問題と相続登記の義務化

 

 

 

1,      増え続ける所有者不明土地

 

近年、日本全国で所有者不明の土地が増加しています。

国土交通省の調査によると、2020年時点での所有者不明土地の割合は、国土の約20%(410ha)に達しており、これは関東16県+静岡県+山梨県の1/3の面積に匹敵する広さとなります。

しかも、相続が理由で所有者不明土地となっている割合が、約2/3にあたる67%にもなっています。

更に、2040年には720haを超えると予想されています。

 

2,所有者不明土地がもたらす問題

 

所有者不明土地は、様々な問題を引き起こします。

 

公共事業や災害復旧の妨げになる


 公共事業や災害復旧において、土地の所有者がわからないということは、土地を測量する場合や立ち退きなどの補償交渉が進まなくなり、大幅な遅延につながってきます。特に、災害復旧が難航する要因にもなり、大きな問題となってきます。


土地の有効活用ができない


 所有者がわからない不動産は、売買することが難しく、賃貸においても所有者不明の物件を借りること自体敬遠され、不動産の有効活用の妨げになったりします。


地域活性の阻害要因になる


 所有者不明の不動産は、当然、管理する人がいないため、荒廃したり、不法投棄の場となったりして、地域の景観を損ねたり、治安悪化の要因となり、地域活性の阻害要因となります。

 

その解決策として、相続登記が義務化されます。

 

3,相続登記と義務化への期待

 

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合、相続人がその不動産の所有権を取得したことを登記簿に記録する手続きです。

しかし、今までは相続登記を行わなければならない期限が定められておらず、所有者不明土地を増やす要因となってきました。

その相続登記を義務化することで、所有者不明土地の増加を抑制し、不動産取引時のトラブルを減らしていくことが期待されます。

不動産の所有者が明確になることは、土地や建物の売買や賃貸借が容易となり、土地の有効活用が促進されてきます。これにより、地域経済の活性化につながってくるのです。

さらに、相続登記が義務化されることで、登記簿の内容の正確性が増すことになります。

今までは、不動産の登記には公示力はあっても、公信力がないと言われてきました。

不動産の登記簿に記載された内容に効力が生じることを公信力といいますが、日本の登記制度では、記載された内容は一般的には正しいのですが、真実の権利関係と登記の記載とが異なっているときは、仮にその記載を信用しても、これを保護することができないのが原則となっています。つまり、登記簿の記載より真実の権利関係を優先させるわけです。

この問題の解消につながっていく期待も大きいといえます。

 

4,最後に

 

202441日に、相続登記の義務化が施行されます。

その主な内容は、以下のようになります。

・相続登記の申請期限は、相続を知った日から3年後。

・相続登記をしなかった場合、10万円以下の過料が科される場合があります。

・ただし、正当な理由がある場合は、相続登記を申請しなくても過料を科されることはありません。

次回、「相続登記の手続きとメリット」について解説します。

 

 

「相続登記」について、疑問や不安点がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

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